杭抜きの重要性

Importance of pile removal

杭の引抜きは次の土地活用・
未来の資産形成に対する重要なファクターです。

現在の既存杭引抜き工事には、準拠指針などもなく、漠然とした施工が行われており、「杭の地中残置(取り残し)」と「埋め戻し不良」が大きな問題として顕在化しています。
取り残しによって地中に既存杭、またはその一部が残存したままですと、不動産取引などでは瑕疵となり賠償費用の発生など、予期せぬ事態にみまわれます。また都度、既存杭を完全に撤去していかなければ、いずれその土地は杭だらけになってしまい、土地の資産価値は大きく低下してしまいます。既存杭やその一部が地中に残存していることを知らずに土地を購入した側も、経過措置などによって撤去費用が自己負担になってしまう事も懸念されます。
また引き抜いた孔には、適切な埋戻しを行わなければ、跡地利用の際に大きな問題となり、賠償金起訴に至るなど、大きな社会問題となりつつあります。
既存杭引抜き工事で発生する問題のすべてが、引抜き工事に原因がある訳ではありませんが、我々事業者は「残置(取り残し)」と「埋め戻し不良」の問題の解消に真剣に取り組むべきであり、その成果を社会に提供することが使命だと考えています。

既存杭とは何か?

既存杭にはさまざまな種類があります。

H鋼杭
H鋼杭
・SMW芯材・親杭H鋼・構台杭・中間杭等
場所打ちコンクリート杭
場所打ちコンクリート杭
・ペデスタル杭
既製コンクリート杭
既製コンクリート杭
・クロスパイルや三角杭含む
木杭
木杭
鋼管杭
鋼管杭
柱状地盤改良杭
柱状地盤改良杭

既存杭はどのように埋設されているか?

地中の「杭」はイメージ通り、真っすぐ健全な状態で埋まっているとは限りません。
既存杭が健全でないのは、打設当時の施工方法や当時の杭の品質などが主な原因です。
(昔の杭に限った話であり、2008年以降に打設された杭は、法改正により正常に設置されていると考えられます)

折れ
折れ
壊れ
壊れ
ジョイントずれ
ジョイントずれ
ジョイント未結合
ジョイント未結合
斜杭
斜杭
杭間が狭い
杭間が狭い
セメントミルク肥大
セメントミルク肥大

不完全な注入が重大事態を引き起こす

埋戻し不良によりさまざまな問題が発生しています。一般的な埋戻し方法は、引抜き孔の上からの流し込み注入ですが、この方法だと空隙や軟弱邸が発生したり、土塊の混入などが起こり、埋戻し不良の原因となることが指摘されています。

周辺地盤の地盤沈下
周辺地盤の地盤沈下
隣接構造物の傾斜・倒壊
隣接構造物の傾斜・倒壊
新設杭のズレや斜坑発生
新設杭のズレや斜坑発生
場所打ちコンクリート杭への影響
場所打ちコンクリート杭への影響
受働土圧減少による山留壁の変形
受働土圧減少による山留壁の変形
作業地盤不良による重機の転倒
作業地盤不良による重機の転倒