「既存杭」とは何か?何が問題なのか?

既存杭とは構造物の解体後、地中に残る杭のことをさします。
建物を解体し、土地を更地にする場合、この杭も撤去する必要があります。
しかし地中にあり姿が見えない杭を撤去することは容易ではありません。
高度成長期に建てられた大量の建築物の更新が進むなかで、
「既存杭の引き抜き工事(杭抜き工事)」はますます重要視されてきています。

既存杭とは何か?

既存杭にはさまざまな種類があります。

  • H鋼杭・SMW芯材・親杭H鋼・構台杭・中間杭等

    H鋼杭
    SMW芯材・親杭H鋼・
    構台杭・中間杭等

  • 場所打ちコンクリート杭

    場所打ちコンクリート杭
    ・ペデスタル杭

  • 既製コンクリート杭

    既製コンクリート杭
    ・クロスパイルや三角杭含む

  • 松杭

    松杭

  • 鋼管杭

    鋼管杭

  • 柱状地盤改良杭

    柱状地盤改良杭

既存杭はどのように埋設されているか?

既存杭は地中にあるため、状況を目視することができませんが、
打設された当時の施工法・品質により、さまざまな状態で埋設されています。
さらに杭の周辺には、セメントミルクが固化したものなど、見えない地中築造物が存在します。

  • 折れ

    折れ

  • 壊れ

    壊れ

  • ジョイントずれ

    ジョイントずれ

  • ジョイント未結合

    ジョイント未結合

  • 斜杭

    斜杭

  • 杭間が狭い

    杭間が狭い

  • セメントミルク肥大

    セメントミルク肥大

既存杭の引き抜きと埋戻しの問題点

一般工法による既存杭の引き抜きは、杭にワイヤーロープを玉掛けして行っています。このため折れた杭の地中残置、また玉掛ワイヤーの破断などによる災害の発生などが起こっています。
また杭引き抜きの跡には、充填材を注入しますが、抜き孔上部からの流し入れのため、ムラのない全長への注入は困難です。

  • 折れた杭の地中残置

    折れた杭の地中残置

  • 不完全な注入

    不完全な注入

  • 玉掛けワイヤー破断

    玉掛けワイヤー破断

不完全な注入が重大事態を引き起こす

不完全な注入が重大事態を引き起こす杭抜き工事において、現在では抜き跡への確実な充填注入が重要視されています。しかし一般工法では、抜き孔上部からの流し入れのため、不均一な充填となり、空隙や軟弱部の発生、土塊の混入などが起こり、さまざまな重大事態の原因となることが指摘されています。

  • 周辺地盤の地盤沈下

    周辺地盤の地盤沈下

  • 隣接構造物の傾斜・倒壊

    隣接構造物の傾斜・倒壊

  • 新設杭のズレや斜坑発生

    新設杭のズレや斜坑発生

  • 場所打ちコンクリート杭への影響

    場所打ちコンクリート杭への影響

  • 受働土圧減少による山留壁の変形

    受働土圧減少による山留壁の変形

  • 作業地盤不良による重機の転倒

    作業地盤不良による重機の転倒