ここにご注意!建物解体工事

既存杭の撤去工事は、通常、建物解体工事の後で実施されます。
建物解体時に無理な施工がなされていますと、その後の杭抜き工事に大きな影響を及ぼします。
以下の点にどうかご注意ください。「杭抜き屋さん」からのお願いです。

解体屋Aさん

この現場ってこの後、既存杭の引抜き工事をやるって言ってたよな
まあ、俺には直接関係ないけど

元請監督Bさん

Aさん、この後杭抜き工事があるから
支障のないようによろしく頼むよ!

解体屋Aさん

はっ、はい!(ん?支障のないように?どういう事かな?)

①基礎起こし

解体屋Aさん

よーし基礎を起こすぞ!時間もないから力技でいくか!

元請監督Bさん

ちょっと待って!既存杭を傷めたらダメだよ!

お願い

バックホウや解体機で無理な作業をして既存杭を傷めてしまうと、その後の引抜き工事に大きな支障をきたします(引抜き不可能・工期遅延)。既存杭を傷めない方法で作業をしてください。

解体屋Aさん

捨てコンまで取れたけど、その下に栗石があるんだけど、
これは取らなくてもいいですよね?

元請監督Bさん

ダメだよ。杭の引抜き時に大きな障害になるから
全部取ってくださいよ

お願い

杭にケーシングを被せる時に一番大事な場所です。
きれいに除去してください。

解体屋Aさん

次は杭の位置を確認するらしいけど、
水が湧いてきて杭が見えないな。どうしようかな

元請監督Bさん

うーん。とりあえず水中ポンプで水替えして
杭が見えるようにしようか

解体屋Aさん

水位も下がって杭が見えてきました!よかったですね
…これって水中ポンプで水替えできなかったらどうするんですか?

元請監督Bさん

うん。そんな時は鋼矢板を打つとか
止水山留を行わないとダメなんだよ

解体屋Aさん

なるほど!そうなんですね!

お願い

地下水の状況は既存杭引抜き時にも影響が大です。基礎解体時に地下水が湧いてきて解体しづらい時がありますが、杭抜き工事でも同じです。地下水で引抜く杭の位置が確認できない状況では、施工は不可能です。地下水で困るような場所なら、止水壁などの山留めも必要です。

②既存杭の測量

解体屋Aさん

杭の位置確認って、測量で確認するんだね!
測量屋さんに光波測量の手元を頼まれたけど、
どこにプリズムを当てたらいいのかな?

元請監督Bさん
杭の中心位置

Aさん、杭の中心位置に当ててくださいよ!

お願い

光波測量では既存杭の中心位置をきちんと測ってください。

解体屋Aさん
杭の頭がバラバラ

この杭、頭がバラバラでどこが中心か分らないなあ
この杭は折れて斜めになってるし。どうしましょう?

元請監督Bさん
杭がしっかりしているところ

もうちょっと掘り下げて、杭がしっかりしているところまで出してそこで測ろう!

お願い

杭頭がつぶれたり、折れて斜めになっている時は、周囲を掘り下げて、しっかりした杭体を確認し、そこで測ってください。測量は杭抜きの品質・工程に大きな影響を与えるので正確な位置をお願いします。

③杭本体と周辺整備

解体屋Aさん
杭の頭に鉄の板

あれ、この杭、頭に鉄の板みたいなものが付いてるぞ?

元請監督Bさん

それは回転金具といって、杭の打設の際に、
回転埋設用に取り付けられたものだよ

解体屋Aさん

これは…やっぱり取っておかないとダメですよね?

お願い

回転金具は杭を埋設する際に取り付けられるものです。
杭抜きのケーシングは既存杭より10~20㎝大きなケーシングを使用しますが、回転金具があると、ケーシングが被らないことがあります。杭の外径より外の部分だけでいいのでガスで切断してください。

解体屋Aさん
杭から伸びてる鉄筋

うわぁ!この杭から伸びてる鉄筋!
これはさすがに後で邪魔になりそうだな

元請監督Bさん

解ってきたね。ガスで切断しといてくれるかな?

お願い

杭から出ている鉄筋はガスで切断してください。
外に開いている場合、ケーシングが杭に被らないことにもなりかねません。また削孔時に、鉄筋がケーシングに巻きついて、鉄筋が杭を引っ張って杭をつぶしながら削孔することになり、工事品質に大きく影響します。

④埋め戻しと地盤改良

解体屋Aさん

よし!言われた通り解体が終わった!
明日から埋め戻しなんだけど、まだ何か指示事項があるのかな~?

元請監督Bさん

もちろん。埋め戻しには大きなガラや石をいれないでくれよ!

お願い

こぶし大のガラでも、密集していると杭の引抜きの際に、削孔不能となりかねません。
また埋戻し土には良質土を使用し、杭頭が深い場合(1.5m以上)や、湧水の多い場所では改良土で埋め戻してください。

解体屋Aさん

埋め戻しも終わったし、これで完了だね!
ちょっと地盤が軟らかいけど、鉄板で対応してくれるだろう

元請監督Bさん

さあ最後に表層地盤改良をやって整地で終了だよ!

解体屋Aさん

地盤改良までするんですか!!

お願い

地盤が軟らかいと鉄板だけでは重機の安定性を保つことができません。
杭の引抜きの際に、重機の転倒災害の危険性があります。標準として層厚1.0m、m3/50kg程度の表層地盤改良を行ってください。水平堅固な、しっかりとした地盤を作って杭抜き屋さんに引き渡しましょう。

⑤既存杭の位置出し

元請監督Bさん

さあここからは私の仕事だな。
既存杭の位置を出しておかないとな

お願い

解体時に測量したデータを元に、現地盤に杭芯棒を打って、既存杭の位置を明示してください。これで準備工事はすべて終了です。

⑥杭抜き工事開始

杭抜き屋Aさん

うわぁ、きれいに整地されてるし、地盤強度もしっかりしてる
杭芯も一本一本全部出してくれている。腕のいい解体屋さんが施工したんだな
これなら杭の引抜き施工に集中して作業ができるな!

元請監督Bさん

Mさん、準備工事はバッチリだよ!いい仕事をしてくれよ!